Photo Letter vol.9 - in 有馬温泉街
Photo Letter vol.9 in 有馬温泉街
Arima Onsen photograph by fuu
今回の写真旅先は有馬温泉。ここは全国でも有名な温泉地で、海外からの渡航客もとても多い。
タイトルショットはこの一枚。
夕暮れの温泉街で和やかに小路を歩くふたり。楽しげな会話が今にも聞こえてきそう。
お店にかかる暖かな光が幸せなムードを演出してくれた。
とっても美味しいかりんとう饅頭。外はパリっとしていながら、中は柔らかく甘い餡子。
絞ればパリっと美しく、開放では柔らかく甘い描写。
なんだかオールドレンズと似ているなと思った自分がいた。笑
それにしても、発色も良く、美しく写っている。饅頭の表面の質感が特に素晴らしい。
中国語らしき言語を喋っていた家族。かりんとう饅頭の作る場面に興味深々な娘の姿を後ろからそっと記録するお父さん。
どこの国でも親が子供を愛する気持ちに変わりはないんだと思った。
瞬間を切り取るスナップショットでは、MFレンズを使用するとなると、フォーカシングの素早さが重要になる。
ヘリコイドをどっちに回せば合焦部分が近くなるのか、遠くなるのか。
そんな初歩的なことすら体に見に付いていない自分はまだまだだな。
布類の質感を表現するのが得意なうちのゴンちゃん。
繊維等のディテールもしっかりと描写してくれる。
なだらかに美しいボケも合わさって、温泉街の独特な匂い、空気が伝わってくる。
開放での夜景スナップがとても面白いことに気がついた。
光源が滲むようにボワっとなり、夜の艶やかな空気感を表現してくれる。
最近の綺麗に写るレンズの方が、それはそれは忠実に現場の雰囲気を再現してくれるだろう。
ただ、オールドレンズはレンズそのものが雰囲気を作るのだと思う。
その雰囲気を作り出す当時の今よりも劣った光学技術を現代で駆使するという、
そんなロマンがオールドレンズ愛好家にはあるのかもしれない。
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