Photo Letter vol.7 - in 山陰本線・因美線沿い
Photo Letter vol.7 - in 山陰本線・因美線沿い
Sanin Line,Inbi Line photograph by fuu
初めての一人旅。青春18切符を購入。地元の神戸を出発し、姫路から播但線に乗り和田山から山陰本線で城崎へ。
写真は鎧駅内のベンチ。鎧駅は降りるとすぐ日本海を望むことができ、2001年冬の青春18切符のポスターにも使用された。
天気は曇りだったが、それでも気持ちの良い場所で、しばらくの間このベンチに座り黄昏ていた。笑
Takumar50mmf1.4の描写力がよくわかる一枚。地面のディテールがうまく表現されていて、味が出ている。
35mm換算で75mm前後という中望遠並の焦点距離が扱い辛い面もあるが、本当に撮っていておもしろい。
Flektogonにて。このレンズやはりHelios44-2とよく似ており、開放では面白いぐらいふわついた描写になる。
f4まで絞ればこの写真のようにコントラストも発色も落ち着くから全然大丈夫。
それよりこのレンズ、見た目が本当に美しく、所有欲を満たしてくれる。
X-T1のアナログチックなボディと合わさって最高。
初期型のシルバーのやつを購入したのだが、大正解だった。
城崎温泉には兵庫県民ながら初めて訪れた。友達から城崎温泉は大したことなかった、と聞いたことがあったが、全然そんなことなかった。
お洒落な温泉街が続き、旅行客で賑わっていた。
時間があれば温泉に入りたかったが、次の電車の時間までそう長くなかったので、入りはしなかった。
二日目に降りた因美線の知和駅にて。岡山県津山市にある小さな無人駅。
この駅は開業当時から木造駅舎のまま残ってある。とても温かみのある駅だった。
山を抜け川を渡り、ディーゼルエンジンで動く小さなワンマン電車を降りた瞬間思わず息を呑んだ。
改札が無ければ、券売機も無い。でもこの駅には人を優しく送り出す、あるいは迎える不思議な力があった。
この雰囲気は都会では絶対に味わえない。
時間の都合上、そんなに距離が無かったので、隣の美作河井駅まで歩いた。
その途中に出会ったなんともノスタルジックな情景。
田舎ならではの木でできたベンチと錆び付いた立て札。
そんな情景を迷わずtakumarではなくFlektogonで写した。
コントラストが若干低くなって、フレアが発生しているが、それが味を出してくれたと思う。
初めて一泊して一人旅に出たが、良い写真旅になった。
途中窓からの何気ない景色に涙が出そうになるくらい。
もっともっと、素敵な写真を旅して撮りたい。
春の青春18切符も購入して、またどこか行こうと思う。
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Photo Letter vol.6 - in 三宮裏路地
Photo Letter vol.6 - in 三宮裏路地
Sannomiya back alley photograph by fuu
珍しくバイトが早く終わったので、クリスマスプレゼントとして自分を納得させ新しく購入したTakumar 50mm f1.4をマウントしてふらりと夜の三宮へ足を運んだ。
このレンズの第一印象はハイライトが滲む。絞れば少しマシになるのかもしれないが、明暗差が激しい境目など特に滲む。
と、いきなりダメ出ししてしまったけれども、開放f値が1.4という明るさを盾にシャッタースピードを稼ぐことができる。
今まで使ったレンズで開放が1.4まで明るいものは無く、このシーンでここまでISO感度下げられるか、と思った。
X-T1の高感度ノイズ耐性と明るいレンズの組み合わせは夜のスナップには最適だろう。
オールドレンズの中では比較的新しいこともあってか、Helios 44-2よりは落ち着いた描写で綺麗に写してくれる。
シャドウもなんとも言えない柔らかさがあると思う。
落ち着いてこのレンズを使った感想を述べているけれども、XF18-55mmよりもHelios 44-2よりもLeica風に写してくれるこの描写に実はテンションMAX。笑
この写真では金属に光が反射している部分に滲みが確認できる。紫色になってしまっている。パープルフリンジという言葉を聞いたことがあるが、それなのかもしれない。
というか、被写界深度が浅すぎてMFでピントを合わせるのが難しい。笑
高架下の居酒屋が立ち並ぶ薄暗い裏路地。そこでは庶民的なロマンチックに溢れていて、
積極的にカメラを向けたくなる。このおみやげ売り場の看板も弱々しい蛍光灯に灯されながら輝いていた。
そんな裏路地の雰囲気を見事に写し取ってくれた。自分が撮りたい写真は、こういう感じのものなのかもしれない。
この写真も自分の浅い写真歴の中で大切な一枚になった。
人生初のモノクローム写真。尊敬する写真家のLeicaのモノクロ専用機を使った作例に感銘を受けて、モノクロ写真に興味を持ち始めていた。
素人が生意気に語るとすると、モノクロ写真ってのは色情報が無い代わりに、光と影の描写が剥き出しになるのだと思う。
夜の街特有の地面に反射する光と、そこを歩く人間の躍動感を写した(かった)。
このレンズ特有のハイライトの滲みを上手く利用した一枚になった。
ふわーっと浮き出てくるように反射した街の明かりが、幻想的な雰囲気に仕上げたのだと思う。
優しく写るその街の明かりに、今まで感じたことのない写真の楽しさを覚えた。
というわけで、レンズの作例集にしようと思っていたけど、好みの写真が撮れすぎてPhotoLetterにしてしまった記事でした。笑
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Photo Letter vol.5 - in 日本海沿いの町並み
Photo Letter vol.5 - in 日本海沿いの町並み
The Sea of Japan coastline photograph by fuu
百人一首の詩に存在する。小式部内侍という平安時代の女流歌人によって歌われたらしい。
この詩にも登場する天橋立。日本三景の一つだという。冬の澄みきった空と日本海の美しい青、そして天橋立の緑が混ざり合ってとても美しかった。
このような場面でAPS-C機ではオールドレンズは非常に扱い辛い。センサーサイズが小さいが故、焦点距離がどうしても長くなってしまい、広角での風景撮影には不向きになる。
M42マウントで有名な広角銘玉のFlektogon20mmでも35mm換算で30mm前後の焦点距離になってしまう。
だからこの写真では久しぶりにレンズキットでついてきた18-55mmを使用した。
天橋立までの道で立ち寄った海鮮の市場にて。人々が行き交う早朝の売り場には、海の男たちの熾烈な商売争いが繰り広げられていた。
朝から元気なおじさんたちだったなぁ。笑
あーー。堪んない。シャドウトーンとハイライトトーンがすごく良い感じに写ってくれた。
こうやって特に目立った惹かれるものが存在しない情景でもそこにある雰囲気を写し取って、写真に表すことができるデジタルカメラとレンズはそんなに数多くないと思う。
レンズなんか6000円程度で手に入れたHelios 44-2。でも正直、XF18-55mmよりもその写りが好きだ。被写体にもよるけど、18-55は綺麗に写りすぎて面白みがない。
歩いていると、とても古い建物の売店を見つけてこれは撮影しないと、と思いこの寒いなかアイスクリームを買って代金を払い店内を撮影させてもらった。
ここでも甘い甘いトーンで目の前の景色をノスタルジックな情景へと変えてくれる。
あぁ、写真ってなんて楽しいんだろう.......。
天橋立のすぐ近くに智恩寺というお寺がある。ここでは面白いことに、おみくじが扇子になっていてそれを木の枝につるす。
手水場の静寂感を写したくてカメラをそっと向けた。f/4まで絞ると周辺の流れはマシになる。この時期の水は冷たすぎて不謹慎ながら、手を洗おうという気持ちにはなりにくい。
伊根地区に舟屋の家が集まった場所がある。一階が船揚場や作業場になっており、二階が家の部屋。まるで昔の港にタイムスリップしたかのような気分になった。
一つ思ったのが、潮風ですぐレンズにカビが生えそう。舟屋に住んでいるカメラマンは防湿庫が必須だろう。 笑
なんでか、開放で撮ったのだがレトロな雰囲気がでてこれはこれでいいと思う。
そういえば、自分へのクリスマスプレゼントでebayでFlektogon35mmとヤフオクで放射線レンズのTakumer 50mmを購入した。
せっかくなので機材紹介も兼ねて近いうちに、紹介記事が載せられたらなと思う。
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Photo Letter vol.4 - in しあわせの村
Photo Letter vol.4 - in しあわせの村
Shiawase-no-Mura photograph by fuu
広い芝生広場にぽつんと生える木の下で食事する親子。この幸せなシチュエーションに、開放の甘くゆるい描写がマッチした。何をたべているんだろう。
時間的にお昼だったので、パンとか?
「しあわせの村」という公園施設で、こんな「しあわせな情景」にめぐり逢えた。
公園内にある日本の庭園をイメージした区画では、まだ秋の匂いが漂っていた。
晩秋の切なさに輪をかけるかのように石段には枯れ果てた落葉が広がり、秋に今年もありがとう。と想いながらとシャッターを切った。
立体間が美しい。35mm換算で約87mmという焦点距離から、圧縮効果で雰囲気が出ている。
曇り空の元でも、フィルムシュミレーションをVelviaに設定し、カラーを調節すれば理想の彩度で写してくれる。
近くのハイキングコースでは紅葉は真っ只中だった。え、遅すぎない?と驚きを覚えつつ開放で撮影。xf18-55でもたくさん紅葉を撮ったが、そのときとはまったく違う描写。
ここにきて初めて、これほどのぐるぐるボケを体感した。vol.3でもこのことについて触れたが、やっぱりBiotarコピーだった。すごい、楽しい。笑
なんでもない草でも美しい絵に変えてしまう。カメラを持つと日常が美しく見えてくる。そんなところにカメラの楽しさがあるのだと思う。
やっぱり、楽しいなぁ。次はどこに撮影に行こうかな。
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Photo Letter vol.3 - in メリケンパーク
Photo Letter vol.3 - in メリケンパーク
Around Meriken Park photograph by fuu
今日は曇り空の元、実はあんまり行ったことのないメリケンパーク周辺へ。
メリケンパークというのは、神戸港の一部。阪神淡路大震災後には、震災メモリアルパークとし整備され、崩壊したメリケン波止場が存在する。
Helios 44-2。開放では周辺描写が甘くなってしまう。でも、この微妙な描写が魅力でもあったりする。
鳥にエサをあげている女の人がいて、そこはもう..鳩とスズメが腐るほどたくさんいた。そういうのって大丈夫なのかな?笑
"ハトにエサを与えないでください"って看板良く見るんだけどなぁ。
その後はやっぱり、神戸のオールディーな町並みを堪能してしまった。
洋風な町並みはオールドレンズを向けたくなってしまう。
なんていうか、このシャドウの引き締まりがすごく気に入ってる。
フィルムシュミレーションはクラシッククローム。彩度低めの落ち着いた発色がすごく好き。
若干のぐるぐるボケが感じられる。Helios 44-2はJenaのBiotarのコピーで本家と同じくぐるぐるボケがすごいらしいが、本レンズではあまり感じられない。
個体差もあるのだろうか。
周辺光量を少し弄るだけで、よりオールドレンズの味が引き出されたと思う。
微妙な描写なわりにどこかキレがあって色も良い。純正のXマウントでは出せない絵なんだろうけど、うーん。うまく説明できない。笑
とどめにこの写真。これ。X-T1で撮ったんですよ。まるでLeicaのカメラで撮ったかのような雰囲気にも思えません?
かなりお気に入りの写真。多分Helios 44-2を買ってから、いやX-T1買ってから一番のお気に入り写真になったかも。
部屋に飾ろうっと。
Photo Letter vol.2 - in 須磨海岸
Photo Letter vol.2 - in 須磨海岸
Suma coast photograph by fuu
逆光でのこの描写。Twitter(@eastslpic)の方でも投稿したのだが、すごくお気に入りの写真。
X-T1のフィルムシュミレーションをクラシッククロームにし、彩度を抑えつつWBで少しだけ温かみを増やした。
こんな何の変哲も無い枯れ木が夕日の光によってこんなにも美しく写った。これだから写真は楽しいと思う。
錆び付いた手すり。ただの錆び付いた手すりだが、こうして写真に写してみると、案外味が出たりする。長年、海からの潮風を浴びながらここに立ち続けている。
カメラを持って散歩しているとそんなことまで考えるときがある。
ローアングルでの撮影。ここでもフレアが大胆に発生している。けれども、なぜか安っぽい写真にはならない。
そういう描写をしてくれるのもオールドレンズの魅力の一つだと思う。
海岸から少し伸びた船着場。水面の波に光が反射してなんとも言えない色に染まっていた。
日没後、波音に耳を傾けながら海沿いを歩いていると、こんな景色にも出会った。
帰りにバスケをしている中学生ぐらいの集団に出会った。自転車と中学生たちが良いポジションにあったため、さっと気づかれないように撮影。でも多分気づかれてたと思う。
この中学生たちもこの先、年齢を重ねるにあたって離れ離れになるのかなぁ....と。儚さを胸に抑えつつ写真に収めた。
なんでだろう、普通に歩いている親子に不思議とストーリーを感じる。
女の子はお母さんお手製のシチューを楽しみにウキウキで歩いているかもしれないし、
大好きなおばあちゃん家に帰っている途中なのかもしれない。
それが何かはわからないけど、確かに何かが存在する上でこの写真を見た人がなにかイメージして温かい気分になってくれると嬉しい。
変な妄想話はこのくらいに。
この日は楽しい夕方の散歩になった。
次はどこに撮影に行こうかなぁ。
Photo Letter vol.1 - in 神戸
Photo Letter vol.1 - in Kobe
Kobe kitano photograph by fuu
神戸北野異人館、ウィーン・オーストリアの家。早いものでもう12月。もうすぐクリスマス。神戸の町ではもうクリスマスの装飾が始まっていた。
クリスマスソングを聴くと不思議と切なくなる。子供のときに持っていたワクワク感が大人になっていくにつれて失われていく感覚が悲しいのかも。あるいは、クリボッチへの悲壮感か....。笑
紅葉の季節が終わりを迎えるにつれて、冬の空気と共に街はだんだんと冬色に染まっていく。
クラシックの歌詞カード?のようなもの。異人館はこういうものがそっと置かれていて、味を出していると思う。風情がある。
おいしそうなワイン。うーん。ワインっておいしいのか。未成年の自分にはまだワインのおいしさはわからない。ただ苦く感じるだけ。笑
早く大人になって、高層ラウンジのバーでピアノジャズを聴き、夜景を眺めながら、ワインを飲んでみたい。
Tomy Flanagan Trioの Nascimento がおすすめのジャズピアノ曲。
油絵を描いている人がいた。すごく器用に描いていた。絵って言うのは写真と違って、ゼロから好きな世界を創造できる。写真では環境がそろわないと作れない作品でも、絵は想像して描けば表現できる。絵が上手に描ける人ってのは、本当に羨ましく思う。
街は夕暮れ時に。北野異人館を満喫した後、三宮のカメラ屋をうろうろ。
帰り際にふと目に止まった路地がとても素敵だった。
今回使用したレンズはHelios 44-2という旧ソ連のレンズ。
初めてのオールドレンズではあるが、(なぜか)共産主義国家製というところにロマンを感じてしまって、Carl Zeiss Jenaのレンズのコピーである本レンズを選択した。安かったのも買った理由のひとつ。←重要。
一度こんなジャズ喫茶のような店に入ってみたい。でも、流石に学生がソロで突撃するには無理がある。誰か一緒に入ってくれないだろうか....。
またまた、ワインの写真。PentaxのQ7を使ってるときから、なぜかワインを撮るのが好きみたい。丸みに反射する光とか、ラベルの部分の光と影とか、そういうのが撮ってて綺麗に写って楽しい。
神戸はやっぱりおしゃれ。家から電車で30分以内の場所にこんな素敵な場所があることが写真を趣味にするにあたって、とても恵まれた環境にあると思う。
これからも神戸のおしゃれな雰囲気をオールドレンズと共に写していきたい。